エアコンの暖房が効かない、寒いと感じることありませんか。
私は寒がりで、エアコンの暖房が寒いと感じたことがこれまでに幾度となく、あります。
例えば、ワンルームマンションに住んでいた時、新築時に入ったにもかかわらず、1月位になると、暖房を目いっぱいにしても寒く感じたことがあります。
特に、風の強い日は鉄筋コンクリート造りですが、どんどん熱を外に奪われている気がしました。
結局、入居の規約で、灯油ストーブが禁止されていなかったので、実家から灯油ストーブを持ち込んで、使うことにしました。
最初に、灯油ストーブを着けた時のことは今でも思い出します。
「暖かくて、しあわせだぁ」
それからしばらくは、エアコンの暖房は寒い、という固定観念を持ち続けることになりました。
というわけで、以下では電気工事士の資格を持つ機械系エンジニアが、電気や機械の知識と自分の体験を踏まえて、原因と対策を書きます。
なぜ、エアコンの暖房が寒い、のか
理由はいくつか考えられると思います。
エアコンの性能不足
私のワンルームマンションでの経験はこれに該当すると思います。
夏の冷房では不足はないのですが、私が寒がり、地域的に寒いことを加味すると、あのエアコンの暖房容量では足りなかったと思います。
エアコンは作り付けだったので、勝手に買い替えることはできませんでした。
部屋の断熱性の問題
鉄筋コンクリート造のマンションの断熱材がほぼなかったのでしょうか。
石は、一旦冷えると、エアコン位では温まりません。
最上階に住んでいたので、上には空気層となる部屋がなかったことも原因と考えられます。
また、コンクリートの壁ばかりでなく、アルミサッシ窓(掃き出し)やアルミ製の玄関扉も熱を逃がす原因だったと思います。
もちろん、木造家屋でも、壁、天井、床、窓、扉からどんどん熱が逃げるので、これらの断熱対策が必要です。
エアコンの性質の問題
もう1つあるのは、エアコンが高い所についているのも一因です。
冷房時の冷たい空気は、暖かい空気と比べ重いので、下に降ります。ですから冷房時にエアコンが高い所にあるのは好都合です。
しかも、高い所にあれば邪魔になりません。
しかし、暖房時には、暖かい空気は軽いので上に登ろうとします。
送風を強くしても、たいがい足元まで風は届きません。
送風を強くする程、ファンの騒音も大きくなりますし。
エアコンの使い方の問題(体験談)
これは、主にメンテナンス、つまり掃除をしていないことに起因します。
実家のエアコンの効きが悪くなったから買い替えようかという話が出た時に、内部のファンを中心に掃除機で掃除したところ、うそみたいにエアコンが効くようになったことがあります。
いろいろと部品が簡単に外れるエアコンで、ファンを見ると、真っ黒なホコリが、綿のように付いていました。
これ以来、わが家ではエアコンの掃除をしっかりやるようになりました。
部屋内の湿度の不足
普段使っている湿度という言葉は、空気が取り込める最大の水分量に対し、今どれだけ水分を取り込んでいるかの比率です。
温度を上げると、空気の中に取り込める水分量の最大値が増えます。
しかし、この値が増えているのに、空気中の実際の水分量を増やさないと、湿度が下がることになります。
湿度が低いと、同じ温度でも、人は寒く感じます。
部屋内の空気の温度を上げた分、加湿する必要があります。
エアコンの暖房が寒いことの対策と解決策
お金のかからない順番に書きます。
エアコンの掃除をする
フィルタを外して、出来ればお風呂場のシャワーや、庭のホースで水洗いをする。
スポンジや布でこする必要はありません。
下手にこするとフィルタを破いてしまいます。
こすらなくとも、十分ホコリ程度は取れます。
洗剤も要りません。
ホコリを落とすだけですから。
水をかけたフィルタはよく乾かします。
うまいこと立てて、半日程度、お風呂場などで乾かします。
庭で乾かす人は、風で飛ばされないように。
水洗いができなければ、掃除機でホコリを吸う方法もあります。
ただ、こするのはフィルタの寿命を短くするうえ、水洗い程さっぱりしないので、
わが家では水洗いをしています。
また、雑草や植木が室外機のファンの邪魔をしていませんか?
ファンの前の草木や植木鉢、不用品は、熱交換のための送風の邪魔になります。
意外と気が付かないのが、室外機の下の雑草です。
特に、室外機の下は空いていることが多いので、下の雑草がファンに当たっていたりします。
きれいにしましょう。
夏の冷房時にも、注意が必要ですね。
これらは、不必要に暖房の設定を上げることを避けるので、電気代の節約にもなります。
適切な使⽤⽅法
次にエアコンの設定温度や⾵向きの調整はどうか確認します。
設定温度を一度、高めにして様子を見るのも一案です。
設定温度をいつもより、2度くらい高めにして丁度良いかもしれません。
リモコンの設定温度は、部屋のレイアウトなどを考慮していないので、試しに変えて使ってみてください。
私も一度、変えてみたら案外良かったことがありました。
また、夏の冷房で、冷たい風が当たるのが嫌で、左右、上下に風を向けたままにしていませんか。
ひざ掛け、毛布
電気を使わない方法として、これらが考えられますね。
今の家では、床暖をよく使いますが、寒い日は床と接する部分は巻かず、足の側面だけに巻いて、床暖こたつとして使っています。
効果があるのですが、ちょっと用事に立つ時に一々取るのが少し面倒です。
加湿する
先ほどもお話ししたように、湿度が低いと、同じ温度でも人は寒く感じます。
適切な湿度は、40~60%と言われています。
湿度計を持ってきて、計ってみましょう。
湿度計が無くとも、洗濯物を部屋の中に吊るしたり、濡れたタオルを絞ってエアコンの風が当たる所に掛けてみてください。
暖かさが増すようなら、湿度が足りなかったということです。
加湿器を使ってもいいと思います。
また、押入れの中がカビるのが怖くて、加湿器を使わない人もいます。
しかし、押し入れの中が湿気るのは、別の要因もあるので、室内の湿度を下げても思ったほど効果が無いこともあります。
適度な加湿は、のどのためにも重要です。
断熱を強化する
まず、床にカーペットなどを敷くことを検討してください。
部屋前面に敷かずとも、人がいるテーブル回りだけでも、人の温かさの感じ方が変わる可能性があります。
冬場にお腹などの体調を悪くしがちなお子さんにも、遊び場に何か敷くとよいのかもしれません。
外で、コンクリートの上に薄いシート1枚敷いただけの所で、平気でおままごとしている子供もいますので、子供次第ですが。
実家の「昭和なおうち」の私が寝る部屋では、夜になると断熱材を窓に当てます。
こんなのを使っています。
かなり効果がある気がします。
20㎜位のものを買ってきて、掃き出しサッシ戸の窓枠にはめています。
もっと厚い物を買いたかったのですが、結構お値段するので、効果が出そうか、20㎜でまずは実験してみました。
また、触るとザラザラ粉が落ちる物を買ったので、はめたり、外したりする際に粉が少し落ちます。
粉が出ないものがありましたら、そちらを買った方がよいです。
エアキャップ(プチプチ)やプラダンを窓につける方法もよくネットで紹介されています。
これも効果がありますが、何といっても数センチの断熱材を付けてしまうのは最強です。
しかし、朝になったら、外さないと戸が開きません。
光も通しません。
では、はずした断熱材を昼間どこに置くか問題になりますよね。
結構大きいです。
でも、いい所みつけました。
下の図では、右側が扉が開くところで、収納は後ろです。
洋服ダンスの左側が空いているので、左側から差し込むように入れることができます。
ね。
邪魔にならないでしょ。
それでも、寒い時は
補助器具を使う
考えられるのは、サーキュレータや扇風機で空気を循環させることです。
ただ、私自身これらで劇的によくなった経験が無いので、サーキュレータも2台も持っていますが、お勧めできるというほどの方法になっていません。
また、部分的な暖房器具を使うという手もあります。
置けるならこたつという手もありますね。
おそらく、エアコンの温度を抑えて設定できると思います。
また、遠赤外線ヒーターは、身体をスポット的に暖めるのに適しており、消費電力が比較的低いです。
特にカーボンヒーターやシーズヒーターが人気です。
小さいと言えば、セラミックファンヒーターがあり、コンパクトで持ち運びがしやすく、脱衣所やトイレなどの狭い空間を効率よく暖めます。
うちでは、冬のトイレの必需品となっています。
しかし、エアコンがあるような部屋では、ファンヒーターの直前の風が当たる所しか温まらなかった経験があります。
エアコン以外の暖房器具を使う
最後は、私のように石油ストーブなど他の暖房器具を使う方法です。
エアコンには、エアコンの暖房のメリットもあるので、時間帯で分けて使うのも良い方法ですね。
ただし、石油を使う暖房は、基本、一定時間ごとに換気が必要です。
詳しくは、取扱い説明書の注意書きをご覧ください。
石油ファンヒーター
やはり、石油を使う暖房は暖かいです。
小さい子供やペットが居る家庭では、石油ファンヒーターがお勧めです。
電源を入れて、比較的すぐに部屋が暖まります。
関東南部の「ほぼ令和築の木造の家」の6畳間と7畳間で、コロナ社製の省スペースなシリーズを使っています。
楽天市場の価格比較のページを貼っておきます。
検索で混じることがあるので、本体名、シリーズ名、大きさや本体色をよくご確認の上、ご購入してくださいね。
アマゾンでも、石油ファンヒーターでいろいろ見てみることができます。
非常にコンパクトで、6畳までも邪魔にもならず、かつ給油タンクもそこそこあるので、毎日は給油せずに使っています。
あまり、小さい石油ファンヒーターは、給油頻度が増えてそれも不便なので、これぐらいがちょうどよい感じです。
「昭和なおうち」でも使いますが、1月の厳冬期の夜は力不足で寒いので、もう少し大きな木造9畳までの石油ファンヒーターを使います。
後継機種は、楽天市場で、LC-33N、人感センサー付のLC-S33Nになります。
アマゾンでは、LC-33N、人感センサー付のLC-S33Nになります。
本当はもっと大きな物を使いたいのですが、6畳間を締め切って大きな石油ファンヒーターを使うのも酸欠になりそうなので、このサイズを使っています。
これらの石油ファンヒーターをもう、10年以上使っています。
それと、部屋のサイズと比べて、大きすぎる暖房は避けた方がよいと思います。
以前、かなり部屋のサイズより大きい暖房を買ったら、石油は食うし、暑すぎるときに温度を下げる調整はうまくゆかないし、でオークションサイトで売ってしまった経験があります。
石油ストーブ(屋内用)
一時期は、石油ファンヒーターばかりを使っていましたが、電気を使わない暖房機の必要性を感じていました。
そこで、石油ストーブも買いました。
災害対策用で、1台でみんながリビングルームであたれるように、大きめで選びました。
暖かいのですが、やはり燃料はやや食います。
でも、そんなに気になるほどではありません。
石油ストーブの良い所は、上で煮物などの調理や温めができることです。
おもちも焼けます。
石油ストーブを購入した翌年、東日本大震災後に計画停電がありましたが、暖房もとれるし、石油ストーブの上で煮炊きもできたので、ひじょうに助かりました。
ただ、洗濯物などを石油ストーブの上で干さないでください。
昭和な時代には、さんざんそれで火災になっています。
人がいるところへリビングやダイニングで移動するので、場所を取らず、運びやすい機種を選びました。
使っている石油ストーブの後継機種は、RS-H2924です。
RS-H2924の楽天市場とアマゾンのリンクを貼っておきます。
検索で混じることがあるので、本体名、シリーズ名、大きさや本体色をよくご確認の上、ご購入してくださいね。
まとめ
エアコンの暖房が寒いと感じられる方むけに、いくつか対策をご紹介させていただきました。
まずは、掃除をしてみてください。
石油の暖房は、灯油を買う、灯油を入れる、シーズン終わりのメンテなど若干手がかかりますが、その分暖かいし、上で調理ができるので、冬を楽しむアイテムとして、わが家では使っています。
「脱衣所(場)、キッチン(台所)、ダイニングテーブルの足元が寒い 寒さ対策」に小型ヒーターなどを書きました。
よろしかったら、ご覧ください。
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