記事内に広告が含まれています。

接地側 間違えると

接地側 間違えるとの記事のアイキャッチ画像
電気工事士 2 種(第二種電気工事士)

接地側を間違えると言っても、2つの間違え方があります。

1つ目は、コンセントなどの器具への配線で、接地側、非接地側を間違えること。
つまり、1つの器具に絶縁電線の「白線、黒線を間違えて接続」することです。

2つ目は、大きくは取り上げられないですが大事な、スイッチと照明器具のどちらを非接地側につけるべきか、ということです。
つまり、「2つの器具の順番」の話です。

「きほんのき – 感電でおぼえる線間と対地」でも説明しましたが、大事なことなので、今一度、詳しく、わかりやすく説明します。

まず、どのように電気が来るのか

単相3線式100V/200Vと、ランプレセプタクルの組み合わせを例にとりましょう。

いわゆる普通の家庭用電気の話です。

電気は下の図のように、電力会社の電柱から各家庭に配電されます。

電柱の一番上の3本の電線には、大概6,600Vが流れています。

電線2本あれば、電気の行きと帰りの電線ができるので、3本の電線から2本の電線を取れば、まずは通電しますね。

6,600Vから2本取り出し、電柱の柱上変圧器に入れて、200Vと100Vの電気を作っています。

変圧器で変圧した200Vと100Vの3本の電線を電柱から家屋に引き込み、家屋内の分電盤内で、真中の対地0Vが「接地側」、残りの対地100Vの2本が「非接地側」となります。

これら3本のうちの2本の取り方で、線間電圧により200Vと100Vの2種類が取れるわけです。

電柱から単相3線式100/200Vが供給される仕組みを描いている。

ここで、真中の対地0Vの接地側を触れても、「対地の感電」はしません。

ただし、感電するか試さないでください。
世の中、誤配線が無いとは言えませんから。

過去に、他人の施工で誤配線を見つけたことがあります。
人がやることなので、間違いがあるかもしれません。

話を戻して、地面も、接地側も、0Vどうしなので、高い電圧から低い電圧へ電気が流れる性質から言って、電気が流れないのです。

乾電池と豆電球で、電池のマイナス端子に、豆電球の赤色、黒色の電線2本をつなげても、電球は光りませんでしたよね。

このように、電気が来ているのです。

非接地側点滅を知っていますか?

前書きの「1.器具への配線で、接地側、非接地側を間違えること」の前に、電気工事士として知らないと言ってはいけない大事な「非接地側点滅」について、説明します。

照明を点灯(点滅)させるスイッチは、照明器具より非接地側に入れることが基本です。

これを、非接地側点滅と言います。

下の図の左側のように、非接地側点滅にすると、スイッチを切った状態では、照明器具に接地側の電気は来ていません。

この状態なら、電球交換時などに誤って器具の金具に触れても、感電しません。
0V同士ですからね。

右側の非接地側点滅にしていない場合は、スイッチを切った状態でも照明器具に非接地側の電気が来ています。

このため、誤って器具の金具に触れた場合、対地の感電する可能性があります。

非接地側点滅の説明図 これを行い感電のリスクを減らす

なので、「非接地側点滅」で施工しなければいけません。

器具への配線で、接地側、非接地側を間違えると...。

では次に、前書きの「1.器具への配線で、接地側、非接地側を間違える」とどうなるでしょうか。

私の小学生の時の感電した体験を振り返ってみましょう。

照明器具内の紐で引っ張る器具のスイッチが切られていたとしても、そもそも接地側、非接地側を間違えて照明器具に接続すると、非接地側から器具を通して「対地の感電」をします。

下の図で、確認してください。

接地側と非接地側を間違えると器具に触れるだけで感電することもありうる

仕様や故障により、製品の金属ケースが非接地側に繋がっていると、金属ケースを触れただけで感電します。

これゆえ、危ないので、接地側、非接地側を間違えて配線してはいけません。

ランプレセプタクルの受け金ねじ部に、接地側が接続されている場合には、受け金ねじ部に指が触れても、0Vどうしなので、対地の感電はしません。

電球交換の時に、受け金ねじ部は指で触れそうですよね。

ランプレセプタクルの受け金ねじ部でない、奥のところは、指が当たり難いので、非接地側のに接続してあっても、触れるリスクが小さいので、感電事故の起こるリスクも小さくなります。

これゆえ、ランプレセプタクルの受け金ねじ部には、接地側を配線するよう指示されます。

ランプレセプタクルの受け金部の説明図

なので、実技試験で接地側、非接地側を間違えると、もちろん落ちます。

確認ですが、感電には、線間の感電と対地の感電がありましたよね。

コンセントの接地側と接地極は違います !!

ところで、緑色の電線は上記で話した接地側とは違います!!

大丈夫でしょうか。

電線の色で言えば、上記の接地側は、絶縁電線の黒色、白色の白色の方です。

洗濯機、電子レンジなどの器具をつなぐ緑色の電線は、コンセントの「接地端子」につなげます。

器具でコンセント・プラグが2本ではなく、3本の金属のものがありますよね。
あれが、「接地極」です。
3本目は、緑色電線の代わりです。

3本目が刺さるコンセントの穴も「接地極」と呼びます。

コンセントから壁内は、黒色や白色電線とは別の緑色の電線で配線され、電柱にはつながらず、敷地内で接地(アース)されています。

北側の壁などから、地面に線がつながっています。

お家の図面がありましたら、確認してみてください。

見た目だと、壁から地面にプラスチックのケースや防護管に入っている他の電線もあり、わかり難いかもしれません。

まとめ

接地側を間違えるとどうなるか、について説明しました。

「対地の感電」という言葉が何度も出てきましたが、線間と対地がまだよくわからない方には、記事「きほんのき – 感電でおぼえる線間と対地」をおすすめします。

では、頑張ってくださいね。

ご要望やご質問など、どうぞ。 (個人情報を書かないように)