石油ファンヒーターの燃料消費量が、カタログに書いてあります。
でも、強燃焼時と弱燃焼時で数倍の幅があり、実際にどのくらいの燃料を消費するのか分かり難いですよね。
そこで、使っている石油ファンヒーターで、灯油の消費量を実測により調べました。
計測は、午前中1時間半の結果です。
午前中に、石油ファンヒーターを使うと、いくらかかるのかの参考にしていただければと思います。
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石油ファンヒーターと石油ストーブの違い
石油ファンヒーターは、内部で燃焼し、ファンで外部に熱風を吹き出す暖房器具です。
熱風の吹き出し口以外は、手で触れるくらいの温度です。
小さなお子さんが居る家庭にも良いかもしれません。
石油ストーブの多くには、ファンが付いていません。
なので、熱風で部屋を温めるというよりは、直接火に手をかざしたかのような輻射熱や対流熱で部屋を暖めます。
ストーブの上は熱くなるので、触れませんが、煮炊き、焼き芋などができます。
FF式は、排気を外に出す筒が付いているので、換気の必要が少ないですが、FF式でない器具は、ファンヒーターもストーブも換気が必要です。
ファンヒーターは、電源が無いと使えません。
常に、ファンを回す必要があるからです。
ストーブは、電源が要りません。
着火時に、電池が必要ですが、一度火が着いてしまえば、灯油が無くなるまで着き続きます。
電池が入っていれば、災害などの停電時でも使えます。
測定の方法
30分毎に石油ファンヒーターを止めて、「はかり」の上に石油ファンヒーターを載せ、重さを計測しました。
計測の様子を以下に示します。
使用した「はかり」の仕様は以下の通りです。
- ひょう量 30kg
- 最小表示 20g
- 研究室、工場、農業、厨房、その他様々な場所で使用出来る汎用製品
これ以外の仕様は、文末の「資料」にあります。
測定の条件
午前中の測定だったので、時間とともに、日が部屋に当たってきました。
日射による暖房への影響があるため、比較的日射による外気温の上昇が少ない時間帯に限って、測定をしました。
- 部屋 広さ 6.63m2(4畳)、天井高さ2.64m、ほぼ令和の平成築、ツーバイフォー住宅、南向き、フローリング、隣はリビングルーム
- 天候 はれ
- 実験時刻 午前8:45から午後10:15
- 外気温度 3.2℃から6.2℃
- 石油ファンヒーター コロナ FH-M257Y、2007年製、暖房能力 2.50kW
- 石油ファンヒーターの設定温度 22℃
- 換気条件 隣接するリビングルームとの境の扉を30分ごとに30cm、5分間開けた。
灯油代の単価と、消費した灯油代の計算方法
灯油代の単価は、2024年11月の伝票(宅配)を使い、総額を使用料で割り、算出しました。
この結果、税込み約125円/L となりました。
また、灯油の比重は、0.79~0.851)とされていますので、ここでは簡単に0.8としました。
30分ごとのファンヒーターの重さの変化量を比重で割り、体積に変え、これに単価を掛け合わせ、灯油代を算出します。
重さの変化量 ÷ 比重0.8 × 灯油単価 = 灯油代
測定の結果
設定温度と室内温度の差と、灯油代が時間経過によりどのように変わるかを以下に示します。
グラフでは、横軸に時刻をとり、左縦軸に設定温度と室内温度の差(以下、設定差と呼びます)、右縦軸に灯油代をとっています。
まず、オレンジ色の線の設定差について見てゆきます。
暖房を始めて30分後の9:10過ぎに、室温は設定温度になりました。
その後、石油ファンヒーターは最小運転になりましたが、暖房能力が部屋から逃げていく熱量より勝っていたため、少しずつ室内温度は、上がり続けてしましました。
設定差がマイナスとは、設定温度以上になったことを示します。
最終的には、24℃以上になってしまいました。
よって、ここで暖房を止め、計測も終了しました。
こんどは、青線の灯油代を見てみましょう。
灯油代は、9:10過ぎ(9:15)のプロットが、8:40過ぎ(8:43)からの約30分間で使用した灯油代を示します。
最初の30分間は大きく消費しますが、その後の消費はその半分にも満たなくなります。
10:15に灯油代が上がっていますが、リビングルームの暖房を測定途中で誰かが止めてしまい、そことの換気になったので、換気した空気の温度が低かったのかもしれません。
詳細はわかりませんでした。
考察
エアコンの暖房と同様に、暖房を入れ始めに大きく消費することが見て取れました。
しかし、同じ部屋をエアコンで暖房すると設定温度になるまで、1時間近くかかりましたが、石油ファンヒーターで暖房すると、30分かかりませんでした。
寒い部屋を早く暖めたい時には、助かりますね。
また30分くらいで、1度部屋の温度が上がってしまえば、部屋から逃げる熱が少ない状態なら、わずかな灯油代で暖房できることも分かりました。
暖房費を怖がらずに、使えそうですね。
まとめ
石油ファンヒーターの灯油の消費量を測り、暖房で使用した灯油代を調べました。
また、エアコンはどうしても足元が寒くなりがちですが、石油ファンヒーターはそうでもありません。
部屋の好きな所へ移動できるのも魅力ですね。
エアコンの暖房に対するデメリットは、換気をしなければいけないこと、灯油の給油をしなければいけないことです。
目安ですが、以上の結果がご参考になれば幸いです。
また、X(ツイッター @iro2info )にブログの更新情報などを上げています。
石油ファンヒーターを探しているなら
関東南部の「ほぼ令和築の木造の家」の6畳間と7畳間で、上記のコロナの省スペースシリーズを2台使っています。
楽天市場の価格比較のページを貼っておきます。
検索で混じることがあるので、本体名、シリーズ名、大きさや本体色をよくご確認の上、ご購入してくださいね。
アマゾンでも、石油ファンヒーターでいろいろ見てみることができます。
非常にコンパクトで、6畳までも邪魔にもならず、かつ給油タンクもそこそこあるので、毎日は給油せずに使っています。
あまり、小さい石油ファンヒーターは、給油の頻度が増えて、それも不便なので、うちではこれぐらいがちょうどよい感じです。
「昭和なおうち」(実家)でも使いますが、1月の厳冬期の夜は力不足で寒いので、もう少し大きな木造9畳までのTOYOTOMIの石油ファンヒーターを使います。
後継機種は、楽天市場で、LC-33N、人感センサー付のLC-S33Nになります。
アマゾンでは、LC-33N、人感センサー付のLC-S33Nになります。
本当はもっと大きな物を使いたいのですが、6畳間を締め切って大きな石油ファンヒーターを使うのも酸欠になりそうなので、このサイズを使っています。
これらの製品は、お値段も手頃ではないでしょうか。
うちの石油ファンヒーターは、どれももう、10年以上使っていますね。
もう、とっくに元は取れていますね。
また、部屋のサイズと比べて、大きすぎる暖房は避けた方がよいと思います。
寒がりだからと言って、部屋のサイズよりかなり大きい暖房を買ったら失敗しました。
石油は食うし、暑過ぎる時に設定温度を下げると寒くなるで、オークションサイトで売ってしまった経験があります。
参考文献
資料
上記に示していない「はかり」の仕様を以下に示します。
- 再現性 0.02kg
- 直線性 ±0.02g
- スパンドリフト ±0.015%/℃ TYP(5℃~35℃)
FAQ
灯油の消費量はどの程度の正確ですか
カートリッジタンクだけを測定すると、本体タンク内の灯油の充填状態により、灯油の消費量が変わる可能性があります。
時々、「ゴボッ、ゴボッ」と音が鳴って、灯油が落ちてゆきますよね。
ですので、本体全体の重量を計測しています。
電源コードもコンセントから抜いて、はかりに載せて計測しています。
今回の計測は、灯油代を算出するのに十分な正確さだと考えています。
ただし、はかりの「最小表示」、「再現性」、「直進性」などの特性があります。
仮に、これらそれぞれの値が積み重なり、40g真値と異なった場合、灯油代に6円程の差となります。
灯油の消費量はどんなことに大きく影響を受けますか
外気温度と部屋の断熱性能が大きいと考えます。
実家は昭和なおうちですが、雨戸もあるアルミサッシの掃き出し窓で、隙間風もありません。
それでも、真冬の極寒期の夜は、室内の窓周辺が寒くなり、6畳間ですが、この測定で用いた灯油ファンヒーターでも寒く、もう少し大きな木造9畳までの石油ファンヒーターが必要になるわけです。
窓部の断熱は、特に検討に値すると考えます。
エラーが頻発する場合は?
石油ファンヒーターを使う上で、注意したいのは、「夏越し灯油」を使わないことです。
これを使うと、内部のセンサーや気化器が詰まります。
これにより、エラーが頻発する場合があります。
一度詰まると、修理に出さないと直りません。
不完全燃焼は中毒になることがあり、非常に危険なので、使用をすぐにやめ、修理するか、買い替えることをおすすめします。
自分ばかりではなく、家族にも被害が出ます。
使い続けずに、直ちに使用をやめてください。
以前、修理に来てもらったこともありますが、夏越し灯油を使わなくなってから、故障しません。
上に書いたように、うちのファンヒーターはみな10年選手です。
仕舞う時にも、ファンヒーターの内部に残った灯油をスポイトで吸ってから、しまっています。
ご要望やご質問など、どうぞ。 (個人情報を書かないように)