エアコン暖房の電気代を実測し、カタログから算出した電気代と比較してみた つけてからどう電気を消費していくのか

エアコンの電気代って気になりますよね。

そこで、実際の使用時のエアコンの電気代とカタログの電気代を比較してみました。

また、電源を入れてから、エアコンが電気をどう消費していくのかも調べました。

電気工事士の資格を持つ機械系エンジニアが、電気と機械の知識を使い、エアコンの電気代をわかりやすく解説します。

目安ですが、ご参考になれば。

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比較の方法について

使用したエアコンの取扱説明書に、暖房時と冷房時の電力量が別々に表示されていませんでした。

そこで、同じ出力、同じ価格帯のエアコンなら大きく変わらないとの仮定で、記事「電気代をグレード間で比較」の「手頃な価格機」で算出した電気代と今回実測の電気代を比較します。

実測の方法

以下の図のように、エアコンとコンセントの間に、簡易電力計をつなぎ、30分ごとに、電力を測定しました。

実測の条件

日射の影響を少なくするため、曇りの日を選びました。

• 部屋　広さ 6.63m²（４畳）、天井高さ2.64ｍ、ほぼ令和の平成築、ツーバイフォー住宅、南向き、フローリング
• 天候　小雨、くもり
• 実験時刻　午前9:00から午後12:00
• 外気温度　8℃から11℃
• エアコン　東芝 RAS-2211TM 暖房標準能力 2.2kW、2022年製
• エアコンの設定　風量自動、風向スイング

実測の結果

室内温度、電気代と時刻の関係を次の図に示します。

電力料金は、単価32.6円/kWh（実績）を使い、計算しました。

グラフでは、横軸に時刻をとり、左縦軸に設定温度と室内温度の差（以下、設定差と呼びます）、右縦軸に電気代をとっています。

まず、オレンジ色の線の設定差について見てゆきます。

9:00に、設定差は8℃ありました（グラフ中の①）。

エアコンを入れると、9:00から9:30の最初の30分間で、設定差は2℃になりました（グラフ中の②）。

その後も徐々に、設定差は０℃になっていきます。
設定温度になった、ということです。

つぎに、青色の電気代について見てゆきます。

電気代のプロット③9:30付近の約10円は、9:00から9:30の「過去」30分間で10円かかった、という意味です。

最初の30分間で、電気代は10円近くかかりましたが、次の9:30から10:00の30分間（グラフ中の④）では、半分の5円程になりました。

10:30以降は、設定温度付近の室温となり、実験終了の12:00まで、電気代は下がり続け、最終的には30分間で2円程度になりました。

考察

以前紹介した「電気代をグレード間で比較」で示したカタログの値を基にした電気代は、2.2kWのエアコンの「フラグシップ機」で1時間当たり4.8円、「手頃な価格機」で、5.7円でした。

今回の実測では、9:00から12:00までの電気代を3時間で平均すると、1時間当たり約9円でした。
これは、手頃な価格機の5.7円より高くなります。

しかし、仮にこのまま30分で2円程の電気代で、12:00から5時間、つまり9:00から合計8時間、エアコンを使い続けると、1時間あたり約6円となり、カタログ値で計算した手頃な価格機の5.7円とほぼ同じになりました。

よって今回は、カタログから算出した電気代と同等であったと考えます。

ただし、部屋が小さかったことや外気温が10℃位と低くなかったこと、など異なる点はありました。
電気代へのプラス要因とマイナス要因が相殺されたのではないでしょうか。

まとめ

「手頃な価格機」のエアコンを使って、実際に室内温度と電気代を実測し、カタログから算出した電気代と比較してみました。

その結果、実測の電気代とカタログから算出した電気代は同等でした。

また、室内温度を設定温度に上げる最初の30分間は、最小時の5倍も電気代がかかりました。

このことから、部屋の扉を開けっ放しにすると、暖かい空気と一緒に、お金も逃げていくことが分かりました。

今後も、いろいろな暖房費を調べ、効率的な使い方について、考えてゆきたいと思います。

FAQ

外気温が低くなると、結果はどう変わりますか

外気温度が下がると、電気代が上がることが考えられます。

グラフ中の10時台に設定差のプロットがやや歪ゆがんでいます。

この日は、この時が気温がもっとも低い8℃台で、他の時間より2℃近く外気温度が下がりました。

この分、室内温度が設定温度に上がり難くなり、電気代も30分で5円程度と高めとなったようです。

エアコンの暖房が寒いと感じる時に、どうすればよいでしょうか

まずは、エアコンのフィルタの掃除をおすすめします。

お金もかかりません。

可能なら、室内機のファンも掃除機等で掃除できると、より効果があります。

体験記などが「エアコンの暖房が寒い　原因と対策をわかりやすく　体験を踏まえて」にありますので、ご参考にしてください。